四国社会資本アーカイブスについて
河川、道路、鉄道、港湾等の社会資本は、国民生活や経済・産業活動に不可欠な基盤であり、四国の社会資本整備も地域の発展に貢献してきました。社会資本は完成した直後にはできて良かったと人々から感謝されることがあるものの、時が経つにつれて社会資本があることが当たり前であるかのように思われ、社会資本整備が今日の生活を築く上で重要な役割を果たしてきたことも忘れられがちになります。また、社会資本整備に関する貴重な記録が保存、継承されていない状況も見受けられます。さらに、近年、社会資本を整備するための公共投資については批判的な意見もあり、必ずしも人々の共感を得て行われているとは言い難い状況にあります。
このため、四国の社会資本整備に関する記録を網羅的に整理し、過去からの社会資本整備が今日の四国地域の礎を築く上で役立ってきたことを人々に伝えるとともに、今後の社会資本整備について人々の理解や共感を得ることが重要になってきています。
そこで、四国クリエイト協会では「四国社会資本アーカイブス検討委員会」(委員長:柏谷増男愛媛大学名誉教授)の指導のもと、過去に四国各地で行われてきた社会資本整備に関する情報を収集、整理し、できるだけ多くの人々に活用してもらえるように情報を提供することを目指して、「四国社会資本アーカイブス事業」を進めています。
四国社会資本アーカイブスは三段階で開示する予定です。この度の開示第一弾では明治以降の直轄の河川・道路の情報を提供し、平成31年頃からの開示第二弾では直轄の河川・道路物語及び直轄の河川・道路以外の社会資本(河川・道路の主要な県事業、鉄道、港湾・空港、電力、市街地開発、ため池、用水等)を提供し、平成32年頃からの開示第三弾では四国の社会資本物語を提供する予定です。
四国社会資本アーカイブスが多くの人に活用され、四国の社会資本整備についての人々の理解と共感を得ることに少しでも役立つことを願っています。
平成29年12月
一般社団法人 四国クリエイト協会
理事長 工藤 建夫